ロバート・ピール(Robert Peel)とH.C.ミンチン(H.C. Minchin)による『Oxford』は、20世紀初頭に書かれた挿絵豊かな案内書である。本書は、さまざまな芸術家の視点を通してオックスフォード大学とオックスフォード市の美と歴史を示し、周辺の重要な建築・文化的ランドマークを際立たせる解説を提供することを目指している。網羅的な一覧を備えた総合案内書というより、オックスフォードを独自たらしめるものについての、より芸術的で詩的な解釈を提示する。巻頭は読者をオックスフォードの歴史的文脈へと導き、古代のルーツと何世紀にもわたる発展を詳述する。大学が都市に先立って存在したというしばしば抱かれるイメージと町とを対比し、オックスフォードがノルマン征服や初期の教育的営みといった著名な人物・出来事に触れる長い歴史を持つことを強調する。大聖堂、セント・メアリー教会、町の建築をはじめとするさまざまな重要な場所が取り上げられ、オックスフォード体験を規定する騎士道的物語と学問的探求の融合が示唆される。叙述は歴史と芸術の双方を巡る旅を約束し、この都市の若さと由緒ある過去が絡み合った遺産を発見するよう読者を招く。