ヘイブロック・エリスによる『性の心理学に関する研究 第3巻』は、19世紀後半に執筆された学術書である。この第3巻では、性的衝動、愛情、痛み、そして女性における性的本能といった複雑な問題に焦点を当てて分析が行われている。エリスは、心理的現象と生理学的過程との関連性を明らかにすることを目的とし、性的行動の正常な側面だけでなく異常な側面も検討している。巻頭では、エリス自身が最近の性的本能や衝動に関する科学的進歩を概観した上で、分析の範囲を詳細に説明している。さらに彼は、性的衝動が単に生殖機能とのみ関連しているわけではなく、身体的・心理的な両側面を反映する多様で複雑な要素から構成されている可能性があると指摘している。この序文は、サディズムやマゾヒズムといった概念やそれらの心理学的意味合いを探求するための基盤を築くと同時に、女性における性的衝動が持つ特有な性質についても、従来の文献では十分に検討されてこなかったとして、より深い探究が必要であると論じている。