ヘイブロック・エリスによる『性の心理学研究 第4巻』は、19世紀後半に執筆された、性的選択の心理に焦点を当てた学術書である。本巻では、特に触覚、嗅覚、聴覚、視覚といった感覚刺激が、人間の性的魅力や選択行動にどのような影響を与えるかが詳細に探求されている。エリスは、性的選択の心理的側面を明らかにすることを目的とし、これらの感覚的相互作用が愛や魅力といった複雑な現象にどのように寄与しているかを強調している。巻頭には序文が掲載されており、そこでエリスは結論的な研究成果を提示するのではなく、自身の研究の枠組みを明らかにする意図を述べている。彼は、特にダーウィンの影響を受けた従来の性的選択に関する見解が、心理学的な誤解によって歪められてきたことを指摘し、感覚体験が愛情の形成においていかに重要であるかを強調している。このような基礎的な考察を通じて、エリスはこれらの感覚刺激が人間の性行動やその進化を理解する上で不可欠であると論じ、続く本文全体においてこれらのテーマについてより深く探求していく道筋を築いている。