S・D・ゴードンによる『力に関する静かな対話』は、20世紀初頭に書かれた霊的な指針書である。この書籍では、キリスト教徒の人生における「神の力」という概念が探求されており、単なる教会への所属と、日常生活の中で真に神の力を持つこととの違いが強調されている。著者は読者に対し、自身の霊的経験やキリストへの信仰の真実性を見つめ直すよう促している。 本書の冒頭では、S・D・ゴードンが様々な大学や神学校で行った講演旅行中に学生や教職員たちと彼らの信仰について語り合った出来事が紹介されている。そこで彼は、自分を教会のメンバーだと考えながらも、実際にはキリスト教徒として真の力を持っていない人々が多く存在することに気づいた。これをきっかけに、ゴードンは「キリスト教徒である」ということ、そして神の霊によって力を与えられて生きるということの真の意味について深く考えるようになった。 ゴードンは、心からの、積極的な信仰の必要性を強調し、聖書に記されたニコデモの臆病な行動やサマリアの女の人の変化する体験といった例を挙げて、読者が自らの霊的な旅路を振り返るための手がかりとして提示している。