ジョージ・バートン・カッテンの『精神療法の三千年』は、20世紀初頭に書かれた歴史書である。本書は、歴史を通じた精神療法の実践の発展を探り、さまざまな文化や信仰体系におけるその歩みをたどる。とりわけ、精神療法と宗教的実践の相互作用に焦点を当てている。著者は、これらの実践が持つ歴史的意義と、心身の健康に関する現代的理解に及ぼした影響を明らかにしようとしている。本書の冒頭では精神療法という概念を紹介し、心と身体の歴史的な関係について論じるとともに、身体の状態に対する精神状態の力を強調している。カッテンは古代文明の信仰に関する逸話や資料を示し、感情の乱れがしばしば身体の不調と結び付けられていたこと、また精神状態と身体の健康が相互に関係していたことを指摘する。さらに、治癒における暗示と信仰の役割を概説し、精神的な信念と治療過程を結び付けた初期の実践を取り上げることで、何世紀にもわたる精神療法の包括的な考察への道筋を示している。