アーサー・チャールズ・フォックス=デイヴィスによる『紋章学完全案内』は、二十世紀初頭に著された紋章学に関する包括的な参考書である。本書は紋章の起源、象徴、伝令官の役割を含め、紋章にまつわる歴史・法・慣行を深く掘り下げる。この案内は単なる歴史叙述にとどまらず、現代における紋章学の持続的な意義と応用を強調する。巻頭ではアーモリー(armory)の概観と紋章学との区別が示され、アーモリーは紋章図像上の象徴的イメージに関わり、紋章学はより広い儀礼的・系譜的側面を包含すると説明される。フォックス=デイヴィスはアーモリーをめぐる誤解を批判し、それが過去に閉じ込められた停滞した分野ではなく、当代の文脈に適応する生きた学問であると論じる。古代の慣行が影響を及ぼす一方で、アーモリーを律する規則は社会の変化とともに進化しなければならないと主張し、紋章の原理とその現代的含意を徹底的に探究する舞台を整える。