『ディノ公爵夫人回顧録』は、ラジヴィウ公妃が編纂した歴史記録であり、19世紀半ばに書かれた。本書は、のちにタレーラン公爵夫人となるディノ公爵夫人が、1836年から1840年にかけてパリの社交界と政治の機微を生き抜く様子を率直に描き出す。回顧録には個人的な逸話と省察が豊かに盛り込まれ、当時の著名人、なかでも有名な夫シャルル=モーリス・ド・タレーランとの交流が詳述されている。冒頭では、1830年代初めのフランスの政治情勢を詳細に検討する舞台が整えられ、パリにおける内閣危機についての洞察に富む論評から始まる。公爵夫人はさまざまな集まりや出来事を語りながら、同輩たちの奇行や政府内の緊張をユーモラスに記す。物語は、政治的駆け引き、社会をめぐる議論、私生活への親密な省察を通じて展開し、彼女の知性と、変革に満ちた時代の社交の力学を示している。