レオ・ドイッチュ著『Sixteen Years in Siberia: Some Experiences of a Russian Revolutionist』は、20世紀初頭に書かれた歴史的記録である。本書は、ロシアで革命家として活動した著者の体験を firsthand に語るもので、投獄され、その後シベリアへ流刑となった経緯を詳述するとともに、当時のロシアにおける政治的抑圧の広い背景にも触れている。本書の主眼は、専制体制に抗う政治的反対者たちの闘争と、彼らが直面した苛酷な現実に置かれている。物語の冒頭では、厳しい監視下にある政治情勢のなか、革命文学を配布するためにドイツへ向かうレオ・ドイッチュの危険な旅が紹介される。フライブルクに到着すると、秘密警察は彼の荷物の中身を調べ、禁制の社会主義パンフレットなどを発見して彼を逮捕する。ロシアへ引き渡される可能性について考える彼の姿からは、切迫感と危険がひしひしと伝わってくる。政治活動のためにロシアで厳しい処罰を受けることになると、彼は知っていたからである。この冒頭部分は、ロシアの改革派が受けた抑圧の重さを浮き彫りにして本書の基調を効果的に定めるとともに、革命闘争においてドイッチュが懸けていた個人的なものを明らかにしている。
『シベリアでの16年間』の翻訳