T・J・デ・ブールの『イスラーム哲学史』は、19世紀末に書かれた歴史書である。本書は、イスラームの伝統における哲学の発展を包括的に概観することを目指し、ムスリムの思想家たちが果たした知的貢献と、彼らの思想を形づくった歴史的背景を強調している。この著作は、イスラーム世界における宗教、文化、哲学の交差に関心を持つ人々にとって、不可欠な資料となっている。著者は本書の冒頭で、イスラーム哲学史を一貫した形で論じようとする意図を示し、この主題に対する新たなアプローチを提示している。デ・ブールは、資料へのアクセスに際して直面した困難を振り返るとともに、この分野に対する自身の理解にさまざまな学者が与えた影響を認めている。冒頭ではまた、初期イスラーム社会の地理的・歴史的背景を紹介し、ムハンマドや初期のカリフたちのような重要人物を論じながら、イスラーム圏内のアラブ人、ペルシア人、その他の文化圏の人々の間で哲学的言説を形づくった社会政治的力学を描き出している。