クセノフォンによる『テン・タウサンド』は、紀元前4世紀後半に書かれた歴史記述である。この物語は、ペルシア帝国においてキュロス二世が弟のアルタクセルクセスと戦う中で、クセノフォンと「テン・タウサンド」と呼ばれるギリシャ人傭兵たちが経験した旅路や軍事行動を描いている。ソクラテスの弟子であり兵士でもあったクセノフォンは、この激動の時代における指導力、忠誠心、そして傭兵たちの経験について深い洞察を提供している。本書の冒頭ではクセノフォン自身が紹介され、その後「テン・タウサンド」の壮大な旅路が始まる。特に、クセノフォンの経歴やソクラテスとの関係、そしてキュロス二世率いる遠征軍に参加することを決意した経緯が詳述されている。また、当時の政治的な陰謀——特にキュロス二世が弟との戦争のために秘密裏に準備を進め、ギリシャ人傭兵を募集していたことも記述されている。物語が進むにつれて、この劇的な軍事行動に関わった主要人物たちが次々と登場し、ペルシアの地で「テン・タウサンド」が直面するであろう冒険や困難への布石がなされていく。