マクシム・ド・ラ・ロシュトリーによる『Histoire de Marie-Antoinette』第1巻(全2巻)は、19世紀末に書かれた歴史叙述である。本書はマリー=アントワネットの生涯に分け入り、その成育と、フランス王太子との婚姻を取り巻く政治的文脈を探る。叙述は、彼女の人柄、直面した困難、そして王妃として課された社会的期待について、洞察に富む眺めを提供することを旨とする。 巻頭はマリー=アントワネットの幼少期を概説する。彼女は1755年11月2日、リスボンを襲った壊滅的な地震をはじめとする重大な歴史的出来事のさなかに生まれた。ウィーン宮廷における成育が描かれ、両親の影響と、職責ゆえに彼らが直面した困難が強調される。叙述はまた、養育者からの愛情と放任が混在した教育、および王妃としての将来の役割についての理解が深まっていく過程にも触れる。文章は沈鬱な調子を定め、フランスにおける彼女の運命を規定することになる挑戦と期待を暗示している。