アルバート・モーデルの『文学におけるエロティックな動機』は、20世紀初頭に書かれた精神分析学的な文学批評である。本書は、文学に存在する根底的なエロティックな動機を探究しようとするものであり、そうした動機は著者の無意識から生じると主張している。分析の焦点は、個人的な体験、感情、記憶が、さまざまなジャンルにおける文学的表現にどのような影響を及ぼすかに置かれている。本書の冒頭では、文学分析に精神分析の方法を適用しようとする著者の意欲が示され、著者の精神の諸側面を明らかにするため、テキストをより深く検討する必要性が説かれている。モーデルは、文学は著者を個人的に映し出すものとして機能し、その物語を形作る隠れた感情やトラウマを明らかにするという考えを提示する。さらに、夢と文学作品の類似性を指摘し、どちらも人間の行動と創造性を駆り立てる無意識の欲望や葛藤を照らし出しうると示唆している。こうして、文学の傑作に浸透するエロティックな底流をさらに探究するための基盤が築かれる。