ジェームズ・リチャードソンによる『1845年から1846年にかけてのサハラ砂漠旅行記』は、19世紀半ばに書かれた歴史記録である。本書では、著者が9ヶ月にわたってサハラ砂漠を旅した様子が詳述されており、トゥアレグ族など様々な部族との出会いや、ガット、ガダメス、ムルズクといった重要な場所についても記録されている。また、リチャードソンが旅行中に目撃した奴隷貿易に対する強い非難の意も表れている。書籍の冒頭では、リチャードソンがこの旅を決意した動機や目的が説明されており、サハラの部族たちの生活や文化を理解し、奴隷貿易に対する認識を高めたいという思いが強調されている。彼は現地の人々や過酷な砂漠環境から直面した様々な困難についても語っている。物語は、彼の当初の計画、知人たちがその旅に対して示した疑念、そしてトリポリへ向かう際の冒険心から始まり、広大なサハラ砂漠で繰り広げられる過酷でありながらも啓発的な体験の舞台が設定されていく。