ジャスパー・ダンカーツによる『Journal of Jasper Danckaerts, 1679-1680』は、17世紀後半に書かれた歴史的記録である。本書は、著者がオランダからニュー・ネーデルラント(現在のニューヨーク)へ航海し、さまざまなアメリカ植民地を旅した過程をつづった詳細な日記であり、その途上での出会いや観察を記録している。ヨーロッパとアメリカの双方で宗教的・社会的動揺が続いていた時代に、共同体の設立を目指した旅行者の経験と印象が凝縮されている。日記の冒頭で、ダンカーツは1679年6月8日に始まる旅の初期段階を回想する。友人たちとの感情的な別れや、遅延、旅に伴う身体的な不快感など、出発時に直面した困難を描いている。冒頭部分では、アムステルダムで「チャールズ」号に乗り込む際の、彼と同行者ピーター・スライターの準備や期待、さらにさまざまな同乗者に対応した経験が取り上げられている。船旅と出会った人々についてのダンカーツの詳細な観察を通じて、読者は当時の海上生活を特徴づける多面的な経験と、社会の多様性を知ることになる。