ロバート・フォーチュン著『中国北部諸省における三年間の放浪』は、19世紀半ばに書かれた探検記であり、植物学的記録でもある。本書は、著者が中国各地の省々を広範囲に旅した経験をつづり、現地の植物相や農業、そして彼が目にした社会・文化的力学について詳しく記している。フォーチュンの物語は、植物採集家として、西洋の誤解と神秘化にしばしば覆い隠されてきた土地を記録し理解しようとする、独自の視点から生まれている。冒頭では、旅に出る著者の動機と、道中で直面する困難が紹介される。フォーチュンは中国に対する西洋の認識の誤りを振り返り、先行する記述が風聞や誇張に依存しているとして批判する。彼は西洋と比較した中国の姿を現実的に描き、その進歩している側面と停滞している側面の双方に言及する。さらに、中国人の気質、政府、農業の慣行にも触れながら、中国の自然と文化の風景を詳細かつ実地に調査していくための基調を整える。こうして、フォーチュンが中国の物理的な地形と社会的な地形の双方を進みながら、豊かな観察と個人的な逸話を織り込んでいく旅の舞台が整えられる。