ロザリー・コッホの『リューベツァール』は、19世紀後半に書かれた童話集である。本書は、強大な魔力と予測しがたい性質で知られる山の精霊、民間伝承の人物リューベツァールを中心に据えている。優しさ、機知、そしてこの謎めいた精霊の気まぐれと人間の行いが交わるときに生じる帰結といった主題を探る、さまざまな物語が収められている。巻頭では、リーゼンゲビルゲに住まう伝説の山の精霊リューベツァールが紹介され、人間の集落が現れつつある領地の変化が語られる。当初は人類に不満を抱いていた彼は、人間をよりよく理解しようと人の姿をとる。これにより、さまざまな主人に仕えるなかで、それぞれが異なる人間の欠点を体現する、滑稽で教訓的な出会いが生まれる。本文は、徳ある者には恩恵を、悪しき者には罰を与えるリューベツァールの計略と慈悲を際立たせる一連の物語への舞台を整え、続く章に展開する魅惑的な物語の一端を示している。